夏目漱石没後100周年記念
漱石と日本の21世紀美術展

会期:2016年3月3日(木)~3月6日(日)
会場:愛媛県美術館(愛媛)

没後100周年を記念し文豪ゆかりの地・愛媛県松山市で開催

イギリスの批評家で翻訳家のダミアン・フラナガンが「シェイクスピアやゲーテなどに並ぶ」と評した世界的な文豪・夏目漱石。今年は日本を代表する小説家である夏目漱石が亡くなってから、ちょうど100年を迎えました。そして代表作の一つ『坊っちゃん』の刊行から110年という節目にもあたります。これを受けこの度、小説の舞台である愛媛県松山市において、21世紀を代表するアーティストの皆様にご理解とご協力を賜り、美術展覧会を開催する運びとなりました。

四国地方で最大の人口を擁する愛媛県の県庁所在地、松山は、姫路城と共に三大平山城に数えられる松山城を中心に発展して来た旧城下町で、道後温泉で有名な温泉地です。俳人の正岡子規や高浜虚子の出身地であり、彼らの友人である夏目漱石にもゆかり深い文学の街であることから、「いで湯と城と文学のまち」として多くの観光客を呼んでいます。

展覧会場となった愛媛県美術館は、壁も床も白を基調とし、高い天井が広い空間を演出する展示室が特徴。展示会場では、日本のアーティスト約150名による作品を展示したほか、夏目漱石作『坊っちゃん』『吾輩は猫である』『こころ』の装幀に出展アーティストの作品を配し、「アートジャケット文庫」展を実施。
また展覧会場内では、文豪に倣って葉書をしたためるワークショップを開講し、本展オリジナルの切手と葉書をご提供しました。ご来場者はそれぞれ思い思いの人へ「お便り」を書き特設されたポストに投函。美術展覧会で珍しい催しが受け、会期を通して多くの方々にご来場いただきました。

場所を道後温泉のホテル椿館別館に移し「夏目漱石没後100周年記念 漱石と日本の21世紀美術展」のレセプション・パーティーを開催。本展のために御祖父が夏目漱石の診察をしていたというご縁で、ノーベル賞受賞者の湯川秀樹氏のご子息、湯川春洋様とご令室の由規子様がご来賓としてレセプション・パーティーへお越し下さいました。余興に愛媛県の代表的な民踊の一つである「伊予万歳」を踊るなど、会場は大盛り上がりとなり、文芸の香り漂う展覧会となりました。