ネオ・ジャポニズム
in ウィーン

会期:2013年4月29日(月)~5月1日(水)
会場:シェーンブルン宮殿(オーストリア・ウィーン)

シェーンブルン宮殿にてジャポニスムの華咲く展覧会を開催

ハプスブルクの栄華と芸術が香る首都ウィーンにて、クリムトが敬慕した日本芸術を受け継ぐ日本アーティストによる展覧会を、バロック時代の世界文化遺産シェーンブルン宮殿内にて開催しました。

豊かな自然とドナウ川に抱かれたオーストリア共和国の首都であり、ハプスブルク家オーストリア帝国の首都として繁栄したウィーン。近郊には宮殿や、国立歌劇場など歴史的建造物が息づき、町自体が「ウィーン歴史地区」として世界文化遺産にも指定されています。「音楽の都」としてだけではなく19世紀には、ウィーン分離派が活躍するなど世紀末芸術の舞台としても知られ、昨年その代表的な存在といえる芸術家グスタフ・クリムトが生誕150周年を迎えたことでも国を挙げて賑わいました。

「美しい泉」を意味するシェーンブルンは、首都ウィーンにあるオーストリア最大の宮殿。ハプスブルク皇帝の夏の離宮だったこのバロック宮殿では、女帝マリア・テレジアやエリザベート皇后(愛称シシィ)の暮らした豪華な部屋の数々が残り、200年以上にわたってハプスブルク家の離宮でした。展覧会初日、展覧会場で実施されたオープニング・セレモニーには、本事業に関わり深いグスタフ・クリムトの御令孫グスタフ・ツィママン氏と、シェーンブルン宮殿事業マネージャーのウォルフギャング氏にも参加いただきました。ハプスブルク皇帝の夏の離宮という深い歴史を持ちながら、最新の設備を整えたシェーンブルン宮殿内、展覧会場前広場で、関係者によるスピーチの後、展覧会は開幕しました。
展覧会場には日本のアーティストによる日本画、洋画、彫塑、工芸、写真、書道、あわせて159作品を展示。天井も壁も白を基調とする中にシャンデリアなど、豪奢な宮廷文化を覗かせる会場では、国内外から訪れた鑑賞者や学生が、欧風のバロック建築内に現れた極東の日本芸術という異文化の融合に、興味津々の様子でした。同会場で出展作家によるワークショップも行なわれ、参加した地元の小学生たちは、日本のアーティストとともに書道や鉛筆画、折り紙などを制作し、上々の出来映えに得意げな笑顔を見せていました。
また、グスタフ・ツィママン氏には終日、日本のアーティストたちと親交を深めていただき、アカデミックに反対して独自の芸術を確立したクリムトの血族と、ジャポニスムの遺伝子を継ぐ日本のアーティストが、時代を越え、貴重な交流を果たしました。