宮島・豊国神社(千畳閣)奉納展「コトノハ歳時記2010・生きる」

会期:2010年7月1日(木)~7月20日(火)
会場:豊国神社千畳閣(広島)重要文化財ほか

特別イベント 鈴木健二氏と集う「コトノハ交響会」
会期:2010年7月1日(木) 15:00~
会場:岩惣(創業150年を誇る老舗旅館)

「黒澤明生誕100年祭IN宮島」の特別イベントとして開催

黒澤明監督の生誕100年にあたる2010年、世界各地で「黒澤明生誕100年祭」が開催され、国内初の会場には日本を代表する世界遺産「安芸の宮島」が選ばれました。本展はその特別イベントとして併催されました。

雨上がりのすがすがしい空の下、宮島島内を一望する千畳閣の広場にてオープニングセレモニーが執り行なわれました。広島県内から訪れた来賓、TVや新聞などマスコミ関係者や国内外の観光客、島内の方々が集うなか、国内初の開催を祝して240年の歴史を持つ肥後熊本藩葦北鉄砲隊による祝砲が島内に響きわたり、広島県知事 湯崎英彦氏や廿日市市長 眞野勝弘氏、AK100実行委員長 黒澤久雄氏が祝辞を披露。続いてテープカットが行なわれ、「黒澤明生誕100年祭」が盛大な拍手に包まれ華々しく開幕いたしました。

展示会場となった千畳閣は1587年に豊臣秀吉が建立し、畳857枚分の広さがあることから「千畳閣」と呼ばれるようになったとされる建造物で、秀吉の死により未完となったものの、現在は国の重要文化財に指定されています。 一歩足を踏み入れると、広い会場内には先人が残した巨大な絵馬や杓子が並んでおり、歴史が刻まれた荘厳な雰囲気が、黒澤映画で使用された衣装や絵コンテの展示を一層際立たせ、見る者を圧倒しました。
『コトノハ歳時記』ブースでは、黒澤明監督が遺した短歌や言葉とともに、現代の精鋭作家による「生きる」をテーマにした短歌、俳句、川柳を宮島の伝統杓子に書して紹介。来賓をはじめ地元の方々、海外からの観光客、修学旅行生と幅広い層の来場者が作品の前に立ち、思い思いに作品を楽しむ姿が見られました。本プロジェクトや出展作品についてスタッフに問いかける来場者も多く、人々の関心の深さを伺うことができました。

また、開催初日には「コトノハ交響会」と題して元NHKアナウンサーの鈴木健二氏の講演会を催し、さらに鈴木氏とともに宮島の伝統芸能や広島の食材を楽しむ「夜宴」を設けました。鈴木氏には特注の杓字に筆入れされた出展作家の一首一句についても講評いただきました。

翌朝からは島内をめぐる「宮島コトノハ吟行会」や厳島神社拝殿での「奉納記念セレモニー」を執り行うなど、多彩な特別イベントも開催しました。